みなさまの保健・医療・福祉の向上を目的とした情報案内
文字サイズ 標準

一般財団法人和歌山県医師会

和歌山県医師会第4次寺下執行部発足にあたって

和歌山県医師会長  寺下 浩彰

平成24年4月 柏井 洋臣 前会長よりバトンを受け会長職に就き、早くも5年余りの時が過ぎました、その間、多くの先輩方の御指導を受けながら、また理事役員の先生方、三木局長はじめ事務局のスタッフの皆様方の御協力を得ながら会務を遂行してまいりました、お蔭で大きなトラブルもなく、種々勉強をさせて頂きながら、今日を迎えることが出来ました事を心から感謝申しあげます。

今期をもちましてご勇退されました、故山田 和毅副会長、田村 公之副会長 横田栄夫理事 田島文博 理事には長年に亘って県医師会の発展の為に絶大な御尽力を頂いたことに心からの感謝を申し上げます。

さて、この度、県医師会執行部に新たに 西岡 正好理事、柳川泰彦理事、島欽也理事、伊東秀文理事に加わって頂きました、それぞれに素晴らしい能力を備えられた先生方であり、県医師会でのご活躍を御期待申し上げているところであります。今後はこの新しい執行部で、一丸となって、種々の課題に対応して行くことになりますが、我々を取り巻く状況は日々大きく変化してきており、従来のパラダイムでは対応困難な状況も予想されます。 地域医療構想の変化への対応、第七次医療計画の策定に対する対応等重要な案件が目白押しでありますが,会員を守ることになるか、県民の命と健康を守ることになるかを最も大きな拠り所として対応して参りたいと考えています。

財政再建を主眼とした政策運営が行われている中で、高齢化、医療技術の進化、高薬価製剤の登場等による社会保障費の増加を財政悪化の悪者にされているようですが、この考えには強い違和感を覚えます。本当にそうでしょうか、高齢化は医学の進歩等によりもたらされた素晴らしい成果ではないでしょうか、理不尽な高薬価製剤についてはやろうと思えばその対策は出来ると思います。何故、医学医療の進歩のお蔭で、長寿が達成され高齢化が達成されたことの成果を云わないのか不思議でなりません。

財政再建を声高にとなえ、社会保障費の圧縮をめざす人達によって国民皆保険制度が押し潰されることの無いよう、叡智を集めて対処して参ります。会員の先生方におかれましても、其々のお立場で、皆保険制度を守るための行動をお願いしたいと思います。

新専門医制度も大きな問題です。医療の質を上げるために創設されたとされる制度ですが、新制度によりどのようなメカニズムで医療の質があがるのかがもう一つはっきりしません、そもそも医療の質とはどのようなものなのか判然としません。この制度により、日本が世界に誇るべき皆保険制度に悪影響を及ぼすのではないか、ようやく安定しつつある地域医療制度に悪影響を与えるのではないかとの強い懸念があります。

其の制度の再検討には、日医も参加し、専門医認定機構で検討されているようでありますが、これらの懸念を払拭出来る内容が情報として入ってきておりません、引き続き注視して参ります。我々もあらゆる機会を通じて、その懸念を払拭できるような制度の構築を提案して参ります。その提案を受け入れてもらえる為にも、何よりも、我々、医師会の活動に対する県民の理解を深め、信頼を得ることが非常に大事だと考えています、我々の日頃の活動を県民目線で理解してもらえるよう、「見える化」の推進を図って参ります。学校保健活動、救急医療活動、産業医活動 等々多岐にわたる我々の活動を、我々自身ももう一度見直すいい機会になればと考えています。日本の医療を守り、県民の命と健康を守るため、 自ら奴雁になる覚悟で会務を遂行してまいります。

また、今一つ心配なのは、皆様も御承知のように、マスコミ等を賑わしている、医師 医学生による破廉恥極りない不祥事についてです、母集団のスケールからすると少数ではあると思いますが、医師に対する信頼感を損なうという意味では重大な犯罪であり、決して許されるべきものではないことは論を待ちません。ただ、罪を犯した者を罰するだけでは問題解決にはならないと考えます、人の命を預かる立場の医師を目指す学生、研修生、医師に、いま一度、医師としての倫理観を涵養する為の教育の充実が急務であると考えます。大学では学ばなければならない事が増え、カリキュラムが過密を極めているのは承知しておりますが、その中にあって、我々、医師会のメンバーがそのような学びの機会を提供することが出来ないか、検討をして参りたいと考えております、幸い日本医師会には医の倫理に関する参考文献が数多くあります、それらを用いた勉強の場を考えてみたいと思っています。意外にも、我々の組織を弱体化させるのは外的な要因ではなく、我々の中に潜む倫理観の低下かもしれないと思います。そのような事を考えながら会員の医師としての倫理観、人としての倫理観の向上を図ることが、組織の強化に繋がるのではないかと考えて、種々の施策を検討して参ります。そのためにも、医療の現場の声をお聞きすることがその基本であるとの想いを強くしております。各地で開催して頂いている県医師会移動懇談会での意見交換会も非常に良い機会だと考えており、この機会をより充実したものにするための検討も始めたいと考えております。会員の皆様方の、御希望、提案をお聞かせ願えればと思っております。

我々の医師会活動の見える化に関するご意見、御提案もお聞かせ下さい。県民の理解と信頼をうるためにも非常に重要なテーマだと考えております。

県行政との関係についても、今まで同様、県民の命と健康を守るという共通の目的に向け、協力関係を強化して参ります。そのためにも双方の信頼関係を強化する必要があると考え、県当局と県医師会理事会との情報交換の機会を増やせるよう検討して参ります。

今期執行部は国民皆保険制度を守り抜き、県民に安心安全を保証し、良質な医療の提供が出来るよう全力で頑張って参ります。会員先生方の御理解、御支援を心からお願い申し上げます。